University of Tokyo - Department of Architecture

Architectural Informatics Symposium at the University of Tokyo

東京大学建築情報学シンポジウム

建築は人類が人工的に環境を構築する概念で、文明の始まりから存在するものです。しかし、現代社会において急速に拡大と進化を続ける情報技術の影響は環境の体験・創造・構築の方法だけでなく、その価値や意味までにも根源的な変化をもたらしています。建築学の各分野の最先端ではセンシングやシミュレーション、ロボティクスや人工知能など既に高度な情報技術が共通して活用されており、それらの技術は「総合的な構築概念」としての建築・都市にとって新たな軸になり、計画・構造・環境などの既存の建築学領域を横断し再結合していく期待を集めています。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻では、情報技術の革新による社会の構造的変化を踏まえつつ、建築関連分野が培ってきた知的蓄積の再構築を目指す「建築情報学」を教育・研究の新たな視点として加え、未来に向けた建築分野の活性化を考え始めました。
本シンポジウムでは、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の教育研究活動を、この「建築情報学」の視点からもう一度見つめ直すことで、その可能性について議論することを目的にしています。

2022年10月1日(土)、22日(土)の2回に分けて、オンラインとリアル会場のハイブリッドで開催 参加無料

リアル会場 東京大学本郷キャンパス 工学部11号館 Haseko-Kuma Hall(130席 申し込み者多数の場合抽選)
(https://haseko-kuma.t.u-tokyo.ac.jp/access/)
オンライン中継(Zoom+YouTube Live)
※第2回配信URL:
https://youtu.be/O3LOE0m1hp4

リアル会場での参加には下のフォームから申し込みが必要です。
https://forms.gle/1ygJ1ut7Byug4GWq9
希望登録締切はそれぞれ9月19日(10月1日回)、10月10日(10月22日回)です。
現地参加登録は締め切りました。申し込んでいただいた人には当選・落選をメールでお知らせしています。
感染対策のため対面参加は抽選制となります。抽選結果は開催日の一週間前を目処にお知らせいたします。

オンラインの配信方法等、追加の情報はこのページでお知らせします。登録無しで視聴可能です。

第1部 10月1日 (土曜日) 13時〜18時20分

12:30  受付開始

13:00  開催趣旨説明と各セッションの紹介(池田靖史 建築情報学)

13:10-14:40  session 1「デジタル・マテリアリティ」

微小構造の計算モデル化や、天然素材の不規則性の情報管理、経年変化の記録と予測などの「物質の情報化」がますます進み、建築手法全体と相互作用しつつある。建築の物質性と情報性の関係はこれから何を可能にするのか?
パネリスト:野口貴文(材料学)、佐久間哲哉(音環境)、三谷徹(ランドスケープ)、腰原幹雄(木質構造)、川口健一(空間構造工学)
ファシリテーター:加藤耕一(建築史)

14:50-16:20   session 2「デジタル・クリエイティビティ」

ものづくりの過程もデザインの発見も、コンピュータの計算結果に知的な刺激を受け、アルゴリズムで自動生成された情報から新たな学びや着想を得る方向に進みつつある。人工知能との共存と協力によって人工的環境を構築する人間の創造性は今までとは何が異なりどこに向かうのか?
パネリスト:岡部明子(まちづくり)、舘知宏(構造形態学)、丸山一平(コンクリート工学)、小崎美希(環境心理学)、谷口景一朗(建築環境工学)

ファシリテーター:平野利樹(建築意匠)

16:30-18:00  session 3「デジタル・インタラクティビティ」

情報の存在意義の一つには人と人、人と機械、人と環境の間の様々な相互作用を助け、それらを一体的なシステムにする効果がある。情報技術で拡張される相互作用によって、建築とその利用者や計画者、さらに建設産業における作業者と機械はサイバー・フィジカルなシステムになれるのか?
パネリスト:赤司泰義(エネルギーシステム)、楠浩一(耐震工学)、横山ゆりか(環境行動心理)、今井公太郎(空間システム工学)、本間裕大(数理最適化モデリング)
ファシリテーター: 糸井達哉(地震工学)

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18:00-18:20 第1部まとめのディスカッション 
池田靖史、加藤耕一、平野利樹、糸井達哉

18:30 懇親会(今後の感染拡大防止状況で開催を判断します)

第2部 10月22日 (土曜日)13時〜18時20分

12:30  受付開始

13:00-13:10  開催趣旨説明と各セッションの紹介(池田靖史 建築情報学)

13:10-14:40  session 4「デジタル・サスティナビリティ」 

BIMのような建築の情報モデル化の普及によって、資源とエネルギーの合理的利用と循環という重要な課題について、人間の社会と経済の情報システムの側面からも取り組むことが期待されている。建築と都市の情報化は人類の持続可能性にどう貢献するのか?
パネリスト:野城智也(プロジェクト・マネジメント学)、藤田香織(伝統的木造建築)、清家剛(環境空間情報学)、林憲吾(建築史)、前真之(サスティナブル建築)、小渕祐介(建築設計)
ファシリテーター:大月敏雄(住宅計画)

14:50-16:20  session 5「デジタル・レジティマシー」 

建築に関する情報伝達の転換は、建築設計・生産・運用の業務の流れから組織や体制の変革、さらには経済システムや、社会制度に至る大きな革新の原動力でもある。しかしそのためには新たな状況を人々が受け入れられる正当性が不可欠でもある。デジタル化された建築情報を扱う社会規範はどうあるべきか?
パネリスト:和泉洋人(住宅・都市政策)、豊田啓介(コモングラウンド学)、権藤智之(建築生産)、川添善行(建築設計学)、松田雄二(建築計画学)
ファシリテーター:松村秀一(建築構法)

16:30-18:00  session 6「デジタル・プリディクタビリティ」

複雑で予測困難な現象を細分化して再現する手法は、計算速度の大幅な向上と視覚化ツールの洗練によって、建築の性能や価値を動的な情報として理解させることを可能にしている。さらなるシミュレーションの進化と建築設計への貢献の可能性はどこにあるのか?
パネリスト:坂本慎一(環境音響工学)、山田哲(建築構造学)、大岡龍三(都市エネルギー工学)、伊山潤(耐震工学)、本間健太郎(空間デザイン数理)、佐藤淳(構造設計法)
ファシリテーター:田尻清太郎(鉄筋コンクリート構造)

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18:00-18:20 第2部まとめのディスカッション 
池田靖史、林憲吾、松村秀一、田尻清太郎

18:30 懇親会(今後の感染拡大防止状況で開催を判断します)

主催 : 東京大学 工学系研究科建築学専攻
お問い合わせ :info-sympo at arch1.t.u-tokyo.ac.jp 建築生産マネジメント講座
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・開催日時:2022年12月15日(木) 17:00~19:00
・会場:東京大学本郷キャンパス 工学部11号館 Haseko-Kuma Hall(130席 申し込み者多数の場合抽選)
    (オンライン配信予定)
シンポジウムの詳細および参加申込については、下記ウェブページをご参照下さい。
・設立記念シンポジウムウェブページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/CMRC/AUDX/symposium.html
・建築都市DX研究会ウェブページ:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/CMRC/AUDX/