藤田研究室
歴史的木造建築の安全性を確保しつつ、文化的・建築的価値を継承するための技術的な蓄積と人材育成。森林と建築の健全なサイクルの形成。
研究室について
藤田研では伝統的木造建築の構造特性、特に耐震性を対象に研究しています。
調査
文献などから、歴史的木造建築の過去の被災・修理履歴を調査し、木造建築が地震・台風・津波などによりどのような被害を受けてきたかを調べています。また、木造建築の構造要素(接合部、壁、組物など)の変遷を調べ、変化の要因を分析する研究も行っています。国内外の歴史的木造建築の現地調査から、健全度や構造性能の分析を行っています。
実験
歴史的木造建築の構造要素(接合部、壁、組物など)や建物全体(五重塔、住宅など)の実験を行い、構造性能を検証しています。最近は、様々な建物(五重塔、門、寺院本堂、書院、住宅など)を対象に現地で振動測定を行うことにより構造性能の把握とモニタリングを行っています。
分析
調査・実験から得られた結果を解析的に検証し、建物の構造性能に関する分析と考察を行います。その結果について、研究会で意見交換を行い更に分析を進めます。
開発
歴史的木造建築や既存の木造建築に対する構造補強構法の開発・設計・施工を行っています。構造的に合理的で、美観的に許容でき、施工しやすく安価な構法の開発を目指しています。
進行中の研究プロジェクト
歴史的建築工学研究会(2017年~)
歴史的木造建築の工学研究について、研究者、構造設計者、修理技術者と定期的な勉強会を実施中。
歴史的木造建築の構造モニタリング(2003年~)
善通寺五重塔、本山寺五重塔、津観音五重塔、建長寺仏殿・法堂、護国寺月光殿などで、構造モニタリングを実施中。
既存木造建築の補強構法開発(2005年~)
意匠性に配慮した開口部補強構法の開発(首都大学東京、九州大学、金沢工業大学、舞鶴高専との共同研究)
東欧、北欧の木造教会の調査研究(2017年~)
ノルウェーの歴史的木造教会(Stave Church)の構造性能に関する研究をノルウェー科学技術大学、筑波大学、大阪市立大学と共同研究を実施中。
カラパチア山脈周辺(ウクライナ、ポーランドなど)の木造教会の構造性能と耐久性に関する調査研究を筑波大学中心にウクライナ・ポーランドの研究者と共同で実施中。
fujitalab.arch.t.u-tokyo.ac.jp