建築情報学ゲスト講演 細谷浩美
インダストリアス・シティ ーデジタル時代の都市的産業
建築情報学特別講演シリーズ(10) 細谷浩美
日時:2024年1月26日(金)18:00~20:00
会場:工学部1号館15号教室 KAJIMA HALL
主催:池田靖史建築情報学研究室
Hiromi Hosoya
建築家、細谷浩美氏は、スイスの建築事務所ホソヤ・シェーファー・アーキテクツの創立パートナーであり、建築、都市デザイン、リサーチなど多岐にわたるプロジェクトで数々の国際的な賞を受賞しています。その先進的なビジョン、新しい都市デザインの手法やツール、そして建築の素材やディテールに対するアプローチは、従来のスイス建築の枠を超えています。2021年には、独自のリサーチをもとに、 “The Industrious City – Urban Industry in the Digital Age “を共同出版しました。
ハーバード大学デザイン大学院で建築学修士号を取得。2003年にマーカス・シェーファーとともに独立。コーネル大学で教鞭をとり、オーストリアのウィーン美術アカデミーで5年間教授を務めました。さらに、2011年と2018年には、ハーバード大学GSDで建築デザインスタジオと都市デザインスタジオを指導。現在は、慶應義塾大学SFCで教授を務めています。
“都市はもともと、生産、商業、就労、居住などの機能が物理的かつ機能的に混ざり合った複合的な空間であった。しかし、近代産業の勃興に伴い、これらの機能を空間的に分離するためのゾーニング規制が導入された。現代においては、デジタル技術の進化により、産業がよりデジタル化され、エミッションフリー化が進み、大量生産よりもイノベーションに基づくものとなる中で、これらの規制が有する機能や意義を再評価する時期にある。同時に、ライフ・ワーク・スタイルの見直しによって、都市のモビリティとエネルギー消費の持続可能性を向上させる方法について考察することが求められている。また、デジタル・ディスラプション、移民、人口動態の変動といった要因が都市環境を不安定化させる中で、社会的公平性とレジリエンスを重視した都市圏を形成する好機(チャンス)はどこにあるのか?” (The Industrious City, 2021, Lars Müller Publisher)。
The Industrious City(勤勉な都市)は、スイスのビジョンであり、同時にそれは未来へのケーススタディでもあります。このビジョンは、都市と産業文化においてレジリエンスを実現する方向性を提案しています。それは多様性と冗長性の維持、連結性と埋め込み性のバランス、データと物質の適切な管理、学びと参加の奨励、統治と管理における補完主義の促進、そして複雑な適応システムとそのダイナミクスを理解することによって可能となります。
入場無料 予約不要 講演は英語ですが自動翻訳字幕を利用します なおオンライン視聴をご希望の方は下記にお問い合わせください。
問い合わせ先: 建築情報学研究室 学術専門職員 ハージェイー・アラストゥー arastoo@arch1.t.u-tokyo.ac.jp