University of Tokyo – Department of Architecture

Library

建築学科の図書室は、建物の当初部分 (昭和10年竣工、内田祥三教授設計)と増築部分 (平成7年竣工、香山壽夫教授設計) にまたがっており、古いものと新しいものの共存を最もダイナミックに経験することができる場所の一つである。多角形の既存壁に書架が設けられている当初部分は、本に囲まれた落ち着いた閲覧室であるのに対し、その外側の増築部分は大きなガラス面に覆われて開放的であるが、実はこの図書室の真骨頂は、単にこれら新旧の空間が対比的だということではない。ここで用いられている素材や色、あるいは既存開口の扱いやスチール材のディテールのデザインによって、古いものと新しいものは対比的でありながら結びつき、理想的な学びの環境が実現されている。