The International Symposium for World Heritage, Nomination Promotion of Yoyogi National Gymnasium
ダイナミックな外観と壮大な内部空間を有する戦後建築の金字塔、国立屋内総合競技場(現在の国立代々木競技場)は1964年10月開催の第18回オリンピック東京大会水泳・バスケットボール競技会場として渋谷の高台に建設されました。
この競技場を設計したのが戦後日本を代表する建築家・丹下健三(1913-2005)です。丹下は広島平和記念公園、香川県庁舎、東京カテドラル聖マリア大聖堂、山梨文化会館、東京都庁舎など、数多くの建築・都市計画を手がけた建築家として知られます。丹下はこの競技場を設計するにあたって構造の坪井善勝、空調衛生設備の井上宇市と協働し、世界初の技術の統合を実現した結果、近未来的なデザインを実現しました。一方、第一体育館の重厚で緩やかな吊り屋根は、奈良時代の寺社建築の大伽藍を彷彿させ、日本の伝統建築との連続性を強く感じさせます。
国立代々木競技場は幾度かの耐震改修工事を経て、竣工当時の姿を維持した結果、2021年に国の重要文化財に指定されました。また、2021年に第32回オリンピック・パラリンピック東京大会においてはハンドボール、パラリンピック車いすラグビー、バドミントン競技の会場として活用されたことは記憶に新しいところです。
東京において、国立西洋美術館に次ぐ世界遺産登録を目指し、このたびは海外からの有識者を交えてシンポジウムを開催いたします。
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